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タフな毎日を送る学校教員のためのブログ

#0279 さをり織りから学んだこと~「すごい」を受け取る

さをり織りのワークショップに行った。マフラーを4.5時間で織る。最近お店がオープンして一度に4人体験できるので、友人と参加した。無心、無言、夢中になって一人の世界に入りつつも、励まし合い称え合いながらできたのが楽しかった。音と色とリズムに癒される、豊かな時間だった。

先生が傍らで作業している。縦糸の用意だそうだ。一本一本、糸を道具に通していく工程が何段階もあって、見ているだけで気が遠くなった。この作業のおかげで織りを楽しめているのだ。

ふと「縦糸は何本あるんですか」と尋ねると「200本です」と、こともなげに返ってきた。

200本!じゃあ、あの作業もこの作業も、200回ずつ?!すごい!
そんなにあると思っていなかったので、たまげた。先生は涼しい顔で作業を続ける。

そこで気づいた。

私はお菓子を作るのが好きで、最近は福岡から送ってもらったさつまいもやレモンでせっせとケーキを焼いていた。人にあげると「作ったの?すごーい!」と感心してもらえる。私にとっては日常だし、ひとりで食べたら大変だからむしろ手伝ってくれてありがとうだし、すごくないです…という思いが心の声にあって、せっかく褒めてもらってもあまり受け取れていなかった。

もしかしたら相手は、縦糸200本にびっくりした私と同じ気持ちだったのかもしれない。

お菓子を作り慣れている私からすれば「あれとこれをああしてこうしたら誰でもできる」ことが、その人にとってはすごいことに見えたのだ。そう思ったら、驚いて喜んでもらえたことにもっと感謝したくなった。