Just Be You

タフな毎日を送る学校教員のためのブログ

#0092 褒められて育ったのに

優しい家族のもとで褒められて育ったのに
常に何かに追い立てられるようにして
勉強も仕事も頑張り続けてしまう。
そんな自分の性質がどこから来たのか知るヒントが
マインドセット」という本の中にあった。

褒め方の実験がある。

子どもにパズルを与え、完成したときに
一方のグループでは
「よくできたわ。頭がいいのね
と、能力を褒める。

もう一方のグループでは
「よくできたわ。がんばったのね
と、努力を褒める。

そのあとで
もっと難しいパズルに挑戦するか尋ねると
能力を褒められたグループは
難問にチャレンジするのをためらい
パズル自体も楽しくなくなっていった。
出来は落ち
再びやさしい問題が出ても、成績は回復しなかった。

一方、努力を褒められたグループは
「次はもっとがんばろう!」と
面白がってパズルに取り組んだ。
成績は向上し
やさしい問題はスラスラ解けるようになっていった。

「頭がいい」と能力を褒めることで
結果がすべてなのだから
能力を証明しつづけなければならない
というメッセージが伝わってしまう。

もし問題が解けなかったら
自分の能力が劣っていることになる。
自分の評価が危機にさらされるくらいなら
新しいことには挑戦しない。
そう考えたので
新しいパズルに手を出さなかったと分析できる。

一方で「がんばったのね」と努力を褒めれば
力を注いでいること自体に意義があるし
できなかったことができたときに賢いと感じられる。
やり方を知るための努力をつづけ、成長していける。

褒め方ひとつで
成長マインドセットを助長できるかどうかに影響する。


さて、自分のことを振り返ると
たぶん、両方の褒め方で褒められていた。
そしてたぶん私が、能力を褒められたことを
多めに受け取ってしまったのだろう。

マインドセットの素敵なところは
違う考え方もできるのだと知ったらそれだけで
そこから先は、自分の意志で選べるようになることだ。

人や自分への声かけを点検してみると
どんなことに気づくだろう。

マインドセットの本はこちら。日本語版。

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