Just Be You

タフな毎日を送る学校教員のためのブログ

#0147 選択の自由とは、いつでも去れると知っていることである

世界的アレクサンダー・テクニーク教師であり
パフォーマンスコーチとして
演劇大学でも教鞭をとられている
キャシー・マデン先生。

彼女のように教えられたら…!と誰もが羨望する
スーパーティーチャーである。

パフォーマー
アレクサンダーを実践で使えるようにと
書かれた彼女の著書では
レッスンの様子がたくさん紹介されている。

「選択の自由」という章に
こんなエピソードがあった。

合唱で歌うのがキライなソプラノ歌手がいた。
「ソロに専念するために
合唱はもうこれでやめる!」
と決断して臨んだ、最後のコンサートでのこと。

「歌いたくないな」という気持ちが出てきたとき
彼女はキャシー先生とのレッスンを思い出した。

「もし舞台に立ちたくないなら
いつでも去ることができると知っていて」

そこで彼女は、現実を確認することにした。

・万が一彼女が舞台を降りても
他のソプラノのメンバーが歌い続けている
・降りるとしたら階段はそこにある


本番では
「歌い続けたい?それともやめる?」
と自分に問いかけた。
そして、歌い続けることを選んだ。

すると、聴衆にもわかるくらい
パフォーマンスもよくなった。
(ただ、これを数分に一回繰り返す必要があった。
それほどまでに合唱はキライだそうだ…)


「演奏中に去るなんてあり得ない。
本当は舞台を降りたいけど
ここにとどまらなければ!」
と思う代わりに

「私はここで歌うことを自分で選んでいる」
と思えることで、創造性が花開く。
舞台では、そういうことが起きる。

去るのは可能で、それが現実だと知っていること。
自分がやりたくてやっているのだと自覚していること。
毎瞬毎瞬、選択しなおしていること。

それが、選択の自由というものなのだ。


これを毎日教壇に立っていた頃に知っていたら
どんなことが起きただろう。
だってある意味
教師ってパフォーマーだと思うから。

☆キャシー先生の著書はこちら(未邦訳)

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