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タフな毎日を送る学校教員のためのブログ

#0285 「誰も置いていかない合意形成」のために、すぐできそうなこと1

Formal Consensusを学ぶワークショップに参加してきた。日本ではまだあまり知られていないが、イギリスの社会活動で効果が実証されている、協力し合うための要素が詰まった手法。

https://www.facebook.com/events/1955769904680575/

当日は午前の部でプロセスの説明があり、午後の部では実際にこれを使って話し合ってみるという体験をした。私がびっくりしたのは、アクションが具体的に決まっていく速さ。話を戻さない、同じ話をしないで済む、賛成意見は沈黙で表すといった時間短縮の工夫が随所にあり、そのスピード感と満足感たるや、今まで出席したどの会議でも感じたことのない類のものだった。

プロセスの進め方について参加者全員が理解している必要があるので、国際会議では新しい人が来ると必ず2時間程度のレクチャーを受けることになるそうだ。経験を積んでからでないとプロセス全体をファシリテートするのは難しそうだと感じた。

とはいえ、細切れでも使えそうな部分もあると教えていただいたのでご紹介。ひとつめはこちら:

「先に進んでいいですか」を
「気がかりはありますか(Any concerns?)」に言い換えること

「先に進んでいいですか」と聞かれると、話の流れを止めたら悪いなどと考えてしまい、言いづらくなる。「気がかりはありますか」という問いかけの方が、声を上げやすい。誰も気がかりがないのを受けて先に進むので、少数意見が無視されることはない。「誰も置いていかない」合意形成の肝の部分。

これって、多数決と比べるとイメージしやすい。多数決では、プロセスの構造上必ず少数派が置いていかれる。それに対してFormal Consensusでは、誰のどんな声も尊重される。そこに集まった人たちが大事にしているものを基準として話し合いができるようデザインされているのだ。

これをファシリテートできるようになりたい。


☆アレクサンダー・テクニークの国際会議、Alexander Technique International用ハンドブックが公開されています
"On Conflict and Consensus: A Handbook on Formal Consensus Decision-Making"

http://www.learningmethods.com/pdf/on%20conflict%20and%20consensus.pdf