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タフな毎日を送る学校教員のためのブログ

#0286 「誰も置いていかない合意形成」のために、すぐできそうなこと2

Formal Consensusを学ぶワークショップに参加してきた。日本ではまだあまり知られていないが、イギリスの社会活動で効果が実証されている、協力し合うための要素が詰まった手法。

[満員御礼]誰も置いていかない合意形成 - Formal Consensus Ver2.0

プロセス全体の背景知識を共有するには2時間くらい必要だけれど、少しずつでも取り入れられる部分もある。今日は2つめ:

気がかりを「出す」段階と「解決する」段階を分ける


提案された議題が「この場に集まっている私たちにとって話し合う価値がある」と合意できたら、「やるとして、どうするか」を話し合う段階に進む。そしてまず、気がかりを出し合う。ただ出すだけで、解決しない。

この型は、色々な会議の観察から生まれた。誰かが発言した直後に別の誰かが意見を言うと「あなたの案に私が意見します」という印象を与えてしまい、言われた人が落ち込みがち。なので、やりたいことの実行を難しくしていることを、まずは集めるだけにする。「場に出された気がかりはみんなのもの」という共通理解のもとで。

気がかりのリストアップができたらそれをグルーピングし、解決のための話し合いに移る。ワークショップ当日の午後実際にやってみたときは、「勉強会を開く」という提案に対して出された気がかりを「事務局系」「参加者系」などとグルーピングした。すると「じゃあそれとこれも事務局でやりますね」というふうに、関連しているものが同時に解決できた。スピード感満点。

「この気がかりがなくなれば、みんなのやりたいことができる」という前提があるから、気がかりをマイナスに感じない。話し合いに生き生きと取り組むことができた。解決する段階を違う日にやるという手もあるそうだ。時間を置くことでアイディアが生まれるから。

気がかりを「出す」段階と「解決する」段階を分ける。これだけだったら、すぐできそう。


☆アレクサンダー・テクニークの国際会議、Alexander Technique International用ハンドブックが公開されています
"On Conflict and Consensus: A Handbook on Formal Consensus Decision-Making"

http://www.learningmethods.com/pdf/on%20conflict%20and%20consensus.pdf