#0302 軽やかに舞い降りるチャンス
福岡博士の本を読み続けていて、心に響いた言葉がある。
「チャンスは準備された心にのみ降り立つ」
“Chance favors the prepared mind.”
ルイ・パスツールの言葉。favorという動詞が軽やかで気に入った。「オリンピックの女神は荒川静香にキスをしました」みたいな感じ。
原文で選択されている単語の意図を味わえるよう、福岡博士が敢えて直訳したそうだ。大賛成。
こちらの本のサブタイトルになっている。ただ、内容としてはこの記事で紹介した2冊のほうが私は楽しめた。
#0301 痛みの表現
ライアル・ワトソンという動物行動学者の本を読んだ。
「エレファントム~象はなぜ遠い記憶を語るのか」
コミュニケーションや埋葬の儀式など、ヒトのするような行動が象についてたくさん目撃されている、という例の中で、この場面が強く印象に残った。
「人を殺す象を調べてみると、撃たれた傷や巨大な虫歯が見つかることが多い。『凶暴』さは怪我や病気の痛みに由来しているようだ。苦痛のせいで、激しい病的行動に走ってしまったのだろう」 p205
どうしてかというと、ブレネー・ブラウン博士の「非難は嘆きと痛みの放出である」というお話と重ね合わせたから。
“Brene Brown on Blame”という3分半のアニメーション。日本語字幕なし。
#0300 役割を通して、人として成長できそう
(このテーマの過去記事はこちらからどうぞ)
人と協力してやっていくための知恵が詰まっているフォーマルコンセンサスでは、とてもユニークな係分担が定められている。いくつかご紹介する。
【ドアキーパー係】
遅れてきた人に議事の進行具合を伝える。出入りを管理することで場の境界線を保ち、器をしっかりさせる効果もある。
【ピースキーパー係】
話し合いが白熱して場の緊張が高まったときに、ミーティングの中断を提案する。例えば鐘を鳴らして一分間の沈黙を呼びかけ、冷静さを取り戻すのを助けたり、リフレッシュを試みたりする。
【共感係】
感情が高ぶった時、参加者は共感係に助けを求め、会場の外で話を聞いてもらい、代わりに発言してもらうことができる。話の内容は共感係が「気がかり」として発言するので、感情的に刺激されることなく話を聞くことが可能になるし、気がかり自体にも対処してもらえる。
ミーティングごとにロールを交代して、様々なロールを経験することが推奨されている。その体験を通じて、人として成長できそうな気がする。例えば板書係としてグラフィックを取り入れても面白そうだし、ピースキーパー係や共感係のふるまいを見て、強い感情を覚えたときにどうしたらいいかヒントがもらえそう。私が参加したワークショップでは、上記のロールの出番がなかった。体験してみたい。
ちなみに、タイムキーパー係はSiriに任せることも可能らしい。
☆著者が本の内容を公開しています