Just Be You

タフな毎日を送る学校教員のためのブログ

#0299 気がかりさえなかったら、人は協力したい

(このテーマの過去記事はこちらからどうぞ)

フォーマルコンセンサス未経験のままこのチャートを見たとき、正直めんどくさそうと思った。

http://www.consensus.net/flowchart.html

でも実は、意思決定に手間ひまをかけるのにはメリットがある。

合意形成のプロセスで置いて行かれた人は、決められたことをしぶしぶやるかもしれない。なんなら、やらないかもしれない。そうしたら逆に時間がかかる。実行までのトータルで見たら、気がかりを話し合いの場で解決しておいた方が時間短縮になる。

気がかりさえなかったら、人は協力したいのだ。

話し合いの最終段階では、「いつ、どこで、だれがやるのか」というアクション関連の気がかりがたくさん出てきた。ここまでの話し合いで「全員が価値を認め実行したい提案である」という合意がなされているから、この段階までくると「実行したいのに、実行を難しくしていること」が出てくる。この気がかりが解決されたらできる!とみんなが思っているから、気がかりがいくつ出てきても、生き生きと話し合いが進む。

「気がかりがなくなったのを受けて、合意に至りました」
話し合いが次のレベルに移るときには、みんなでお祝いをする約束になっている。声を上げ、手をひらひらさせて表現するお祝いの本気度が増していくのも、協力するのが楽しいからなのかもしれない。


☆著者が本の内容を公開している。ブックマークから発掘された…読もう。

A Guide to Formal Consensus

#0298 手で食べると美味しい

数種類のカレーやおかずとご飯を手で混ぜて食べるスタイルをスリランカで体験した友人が、その方が美味しいので帰国後も家で続けているという。その方が美味しいってどういうこと?やってみたい!ということで私が三種のカレーを作り、友人宅で手食にチャレンジした。

しばらく手で食べたあと、スプーンでも食べてみた。口に当たる衝撃が気になる。なんだか味も違って、手の方がまろやかに感じる。「もう戻れないかもしれない」と思わずつぶやいた。手って偉大だなと思えた。

とはいえなかなか綺麗には食べられず、指全体が汚れてしまう。でも現地の人は、そんなことにならないらしい。第二関節ぐらいまでの指先だけを使って、スムーズに口に運ぶそうだ。その上、食べ終わったお皿も綺麗なのだとか。

アレクサンダー教師としては、どうしたらその動きが可能になるのかが気になる。色々試してみたものの改善できなかったので、お手本はないものかとYouTubeで検索した。ちょうどいいのが見つかって、手の角度と親指の動きがポイントだと判明した。

m.youtube.com

今度はもっと上手に食べられたらいいな。

#0297 もっと知りたい!だからまず切り取る

ヘレン・フィッシャーという人類学者が開発した質問紙をお友達とやってみて、盛り上がった。

『「運命の人」は脳内ホルモンで決まる!~4つのパーソナリティ・タイプが教える愛の法則』


どのタイプがどのタイプのどんなところに魅かれがちなのかがわかる。原題の”Why him? Why her?”のほうが、簡潔に内容を表しているかもしれない。相性診断だけでなく、自分が大切にしている価値観も見える化できたりする。生まれつきそうなんだって思うと、納得感も増す。アーユルヴェーダの体質診断や、ホロスコープとのつながりについても考えてみると、より面白かった。

こういう性格診断みたいなものって、もちろんその人全体を表しているわけじゃない。この本で取り上げられているドーパミンセロトニン、テストステロン、エストロゲンの4つだって、誰もが4つ全部の影響を受けている。傾向として寄っていることがあるっていうだけ。型にはめられるなんてお断りと思う人もいるかもしれない。

でも私は、自分や相手のことを知りたい時に特定のレンズを通して見ることが役に立つと思う。だからこういうのを面白がる。

分子生物学の研究で細胞を見るときには、細胞を固め、薄切りし、それから顕微鏡にのせるという手順を踏むそうだ(福岡伸一博士の本から私が理解したことをざっくり説明している)。変化しながら動くものを捉えるのは難しい。だから動きを止め、切り取る。

それと似ているのかもしれない。もっと知りたいから、「部分」に注目してみる。全体が部分の総和でないことは承知の上で。

人って面白い。